chinachuやPT3その他で録画サーバーを建ててとても快適

先週末に、以前からやりたいと言っていたchinachuで新しく録画サーバーを建てたのでその時のメモ。

きっかけ

今まではPanasonicのブルーレイレコーダーで、別のディスプレイをひとつあてがって アニメをひたすら録画したりBDに保存したりテレビ番組を視聴したりしていたが、 常に触っているパソコンから離れてBDレコーダに行くのが億劫に感じてきた。 ニコニコ動画配信アニメのアクセスの良さを実感。

PCの近くにBDレコーダを置いてもサブディスプレイをBDの方に切り替えなきゃいけないし、 別の場所に置いたら置いたで移動したり起動するのが面倒くさい。 キーボードやマウスの操作だけでサクッとアニメ視聴に移りたい。

ただ建てただけで今までのBDレコーダの上位互換になるかは疑問だが、 利便性やコストよりも自由を取るスタンスが勝ってしまった。

それに外部からのアクセスで録画番組をスマホから閲覧できると非常に便利。 家の中も皿洗いしながら録画番組を試聴したり、 出先で録画の管理や視聴をするなど、夢も大きく広がる。

何より自分の力試しにもなる。 「21世紀なのにパソコンでテレビ番組が見られないのはおかしい」という信念もある。 最近仕事に時間を取られてアニメを視聴時間が減ってしまったので、 これを期にガッツリ立ててみることに。

今回使った材料

サーバーを新しく1台作りなおす段階から入ります。

録画サーバーの材料たち

サーバマシン

以前から動いてはいたが電気代だけ食って特になんのバリューも発揮していなかった Express5800 51Lf。今回これをフォーマットして新しいサーバーを立てる。

Express5800/51Lf
http://support.express.nec.co.jp/usersguide/UC50/51Lf_a/51Lf_a.php

スペックは、RAM2GB、Intel Core 2 duo。 (あとから分かったがこのCPUではストリーミングにはやや力不足)

ハードウェア的なマニュアルは以下から。

http://support.express.nec.co.jp/usersguide/UC50/51Lf_a/51Lf_a.php

Debian 8.0 jessie amd64 インストールディスク

Debianの8.0 jessieがついこの前の4月あたりにリリースされたらしいので、 積極的に人柱になっていこうと思います。

ミラーは理研がオススメ。Disk1のみで基本的にOK。

http://ftp.riken.jp/Linux/debian/debian-cd/8.0.0/amd64/iso-dvd/

インストールガイドは以下。

https://www.debian.org/releases/stable/amd64/index.html.ja

HDD

今回1TBのHDDを2つでRAID1にする。

WD Blue 3.5inch 7,200rpm 1.0TB 64MBキャッシュ SATA3.0 WD10EZEX
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0085PZHXW

やや少なめだがPanasonic時代には500GBでそこそこ問題なかったし、 ある程度溜まってきたら母艦Macに移したりといくらでもできるからこんなもんでいいかなと。

Chinachu

今回のメインの録画予約・管理ツール。Webインターフェースがモダン。 名前の由来は某百合漫画orアニメですかね。

kanreisa/Chinachu https://github.com/kanreisa/Chinachu

Foltia ANIME LOCKERなどの似たソフトウェアもある中で、 Chinachuはオープンソースで無償、その代わり導入はLinuxわからないときつい。 通常のエンドユーザー向けではない。 自分はLinux大丈夫な人なのでお金がかからないChinachuに即決。

中身はNode.jsとTypeScriptらしいが、インストール手順がバッチリ整っていて その辺りを意識することは全くない。

今年の夏辺りにChinachu Airというのもプレビューリリースされるらしい。 開発が活発なのも実は選定理由の1つ。

Chinachu https://chinachu.moe

PT3

PT3

録画サーバー界ではおなじみのPT3。 簡単に言うとアンテナ線とPCを接続する装置。 TVチューナーカード。 PCI Express 1があるロジックボードに対応。

地デジチューナーが2つ、BS/CSチューナーが2つ搭載されているから、 日常範囲では録画ブッキング等で困ることはないかと。 非常に評判のよいチューナーボード。

PT3
http://www.amazon.co.jp/Earth-Software-PT3-Rev-A/dp/B00857CQAMa

SCR3310-NTTCom

B-CASカードを読み取るための装置。 USBの外部接続だが評判がよかったのと事例が多かったから決定。

NTTコミュニケーションズ 接触型ICカードリーダー・ライター e-Tax Win&Mac対応
http://www.amazon.co.jp/NTTコミュニケーションズ-接触型ICカードリーダー・ライター-e-Tax-Mac対応-SCR3310-NTTCom/dp/B00117VJ7O/

B-CAS カード

PanasonicのBDレコーダーから抜き出した。

個別に手に入れる時ってどうするんだろ・・・?

作業の流れ

構築方法は既にいろんなブログで出ているので簡単に流れだけ。

マシンの中を開けるとこんな感じ。

Express5800 51Lfの中

まずはHDDの入れ替え。 ネジはきちんと巻いておかないと回り始めた時にガタガタ音がするのでしっかり止める。

HDDふたつ交換前

PT3を装着する前のPCI Express端子。 1つネジを外してカバーを外し、PT3を指す。

PT3装着前

BIOSでHDDをハードウェアRAIDにしようとするも、 インストール作業時にRAIDができず、別のHDDとして認識されてしまった。 どうやらハードウェアRAIDというよりもオンボードのRAIDで貧弱な精度らしい。 もうちょっと確認が必要だけど、BIOSをいじらずおとなしくソフトウェアRAIDにした。

Debianインストールディスクからの起動

swap以外はext4ファイルシステム。ソフトウェアRAID。 スワップとboot以外は全部1つのディレクトリにした。

途中ブートローダーを入れずにインストールを終了してしまったため いつまでも起動しないサーバーになってしまったのでやり直した。

OSを入れた後に、Chef Server管理にして個人的に秘伝のcookbookを適用してDebian jessieサーバーそのものは完成。 途中でこのcookbookがsudoやaptitudeが入っていることを考慮していなかった点あたりは修正した。

この後は以下の流れ。

  • PT3のドライバインストール
  • SCR3310の読み込み
    • aptitude install pcscd
    • B-CASを認識するかテスト
    • サービスの自動起動
  • chinachuインストール
    • GitHubのwikiを参照
  • chinachu設定
    • 同じくGitHubのwikiを参照

chinachuのセットアップのこの流れは途中まで作業しながら大急ぎでcookbookにした。

ikuwow/chinachu-cookbook
https://github.com/ikuwow/chinachu-cookbook

サーバーの立ち上げから行ったので総作業時間5時間ぐらい。

使用感

ストリーミングはSafariでは再生されない。ChromeやFirefoxならOK。許容。

録画した番組をMacにダウンロードして視聴するのは全く問題なく、非常に快適。 30分のアニメだと2GBぐらいあるが、ローカル転送なので1000BASE-Tの限界近くまで、 速度が出るから30秒ぐらいで落ちてくる。 .m2ts形式だからVLCで視聴。倍速再生も自由自在。

ただストリーミングは問題あり。 録画中でも放送中番組でもビットレートを低くしないとカクカクする。 CPU使用率は100%前後。coreが2つだから最大200%まで行くはずだが使ってくれない。よくわからない。 他のブログ記事を参考にするとCore i7あたりを使っていたりするので、 Core 2 duoではややスペックが低かったと判断。

今後やることは2つ。

ストリーミングが行えないと利便性ロスが大きすぎるのでより高スペック(core i7以上?)のPCを自作する。

それとiPhoneやiPadで録画映像を見る方法を確立すること。 ブラウザでchinachu-wuiにアクセスしたが再生できなかったので、 Ace Playerというやつを使うと録画した生ファイルの.m2tsファイルを再生できるところまで確認した。 ただ今度は番組のライセンスの問題で音声トラックが無効に・・・。 こちらも模索。

それにしてもChinachuさん素晴らしいです。今後の開発に期待。

参考記事